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●功過格 こうかかく

アジア 中華人民共和国 AD 

 明・清以後民間に流布された善書の一種で,日常生活における善(功)と悪(過)とが具体的に記述され,個人の行為が数量的に割り出せる基準(格)の示されている倫理実践の書である。一般に功過の点数記入用の格図が付され,功過格の名はそれに由来するとも,また,律令格式に対する陰律の格がその名の由来であるともいう。最古の功過格は,1171年に浄明道玉隆万寿宮道士又玄子(ゆうげんし)が夢得したと伝えられる『太徴仙君功過格』(『道蔵』洞真部78冊)であろう。中国には,善悪の行為は計量化されて吉凶禍福の応報を受けるという根強い思想があった。明代以後功過格が広く流通したのは,功過格に従って道徳行為を実践し,その結果として自己に下されるであろう吉凶禍福を予測して行為を規制しようとした民衆の意識の高まりによるとも,また,これを利用して民衆を善導しようという官憲の意識の反映ともいわれる。