50音順    検 索

●広域行政 こういきぎょうせい

AD 

 地方公共団体の区域を越えて広域的に行政事務を処理すること。戦後わが国の経済の高度成長に伴う地域開発に対応して,重要な問題となった。その方式は多様であるが,大きく分けると,地方自治体が主体となるものと,国の責任あるいは国の政策的援助の下で行われるものとがある。地方自治体が主体となるものも,市町村と府県レベルの二つがある。[1]市町村合併やその特定業務の共同処理がその一つである。1953年(昭和28)以来の全国的な市町村合併,とくに1963年の5市合併による北九州市の出現は有名である。合併によらないでも,いろいろの共同方式がとられている。[2]府県は,市町村に対して,それ自体が広域地方自治体であるが,それにしては,その区域があまりに狭いという批判が強く,1957年地方制度調査会の答申以来,半官治的な道州制案と,自治体としての性格を維持したうえでの府県統合案とが論じられたが,いずれも合意が得られなかった。次に,国を中心としたものとしては,[1]自治省の広域市町村圏構想・経済企画庁の広域生活圏構想・建設省の地方生活圏構想のように,広域化した経済圏や生活圏の出現に対応するために,国が政策を打ち出し,補助金・地方債地方交付税その他の方法で,これを推進しようとする方式がある。とくに,自治省のそれは,地方の母都市を中心とする人口10万人以上の広域市町村圏を全国に数百設定し,これに特別地方公共団体の性格を与えんとするものであるが,府県・市町村と並ぶ三重行政の出現という問題がある。[2]さらに積極的に,国の地方出先機関の強化,首都圏整備法・近畿圏整備法などにみられるような国の介入,あるいは,特定地域を対象とする国の公団の設置などの方法も行われている。以上のような諸方式による広域行政の進展は,一方で,時代と社会の要請に応える上で有効であるが,他方で,住民自治の希薄化という重要な問題をかかえている。