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●香合わせ こうあわせ

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 物合わせの一種。左右に分かれて香木の香りをかぎ合う遊戯のことで薫物合(たきものあわせ)ともいう。平安初期に始まった詩合わせや歌合わせなどの影響を受けて貴族のあいだで行われた各種の物合わせは,勝負を競うところに興味の中心があった。枕草子の〈物あわせ,何くれといどむことに勝ちたる,いかでかうれしからざん〉とあるのがその様子を物語っている。香合わせは,見合わせ・草合わせ・花合わせなどとともに女房社会で行われて中世・近世にいたるまで流行していた。物合わせは,娯楽に過ぎなかったが,そのため文学・美術・工芸一般の発達を促進した。香合わせはとくに後の香道へつながる内容のある室内遊戯で,古典文学・有職故実の中に占める価値は小さくない。羅国(らこく)・真名盤(まなばん)・真中(まなか)・伽羅(きゃら)などの香木を焚いて,その何香であるかをかき分け,勝ち負けを定める方法は,香木そのもののことや,それを衣食住の日常生活の向上に注意が向けられ,聞香(ぶんこう・もんこう)の語も生まれた。