●小一郎神 こいちろうがみ
アジア 日本 AD
九州北部に濃密に分布する民間の神。以前は屋敷神や同族神として祭られたり,集落と近接した松・榎の木のうっそうとしたいわゆる小一郎森の中の小祠の中に祭られたりしていた。民間の小祠であるため,現在では1カ所にまとめられて祭られている所も多い。明治初年ごろまでの文献類には,古一郎神・今日霊の名でみえることが多い。小一郎の名そのものの由来については不明だが,小一郎という名の一族の先祖を神に祀ったという類例が多くあることから,その性格は同族神もしくは祖先信仰に根づいたものであろう。さらに小一郎神の特徴は,たたりやすいということで,境内の木を切ったり,奉仕をしなくなったりすると,家や家族に災いをもたらすものと信じられている。一般的に,年2回祭礼を執行し,7月の夏祭りには麦でつくったうどんや団子をそなえ,12月の冬祭りには新米を醸してつくった甘酒を供える。そのため前者をうどん祭とか団子祭,後者を甘酒祭と呼ぶ地域も各地にある。