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●原日本人 げんにほんじん

アジア 日本 AD 

 縄文時代人を現代日本人の直接の祖型人種とみなす際に用いる語。明治20年以降,坪井正五郎小金井良精によって展開されたコロボックル=アイヌ論争は,大正時代にいたってアイヌ説全盛のうちに終末を迎えた。ついで,大正末年から昭和10年代にかけて台頭したのが原日本人説である。これは,大阪の国府遺跡の発掘を契機とした石器時代の多くの人骨資料によって,縄文人と弥生人が断絶したものではなく,人類進化の一環としての変化であるとする認識の結果であった。原日本人説は石器時代人が有史前後の大陸系人種と南方系人種との混血と,環境・生活状態の変化の影響の二つの要因によって現代日本人へ移行したとする清野謙次の混血説,狩猟採集生活から農耕生活への転換が縄文人と弥生人の体質を変化させたものとする長谷部言人の変形説の二説に大別される。しかし,この両説はいずれも一長一短があり当否はにわかに決し難い。