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●ケンタウロス

ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD 

 上半身が人間,下半身が馬の形をしたギリシア神話の野蛮な怪物。ホメロスの『イリアス』では,彼らは野獣として描かれている。エリス・アルカディアテッサリアの森や山に住んでいた。彼らが馬の形をしているのは,テッサリアの馬飼いに由来しているのであろう。ギリシア人にとっては,彼らは好色で大酒飲みで,野蛮な生活・動物的な欲望を代表しており,しばしば正義や英雄によって痛めつけられている。ラピテス族の王ペイリトスの婚儀に招かれたとき,ケンタウロスの一人エウリュティオンら数人がラピテス族の女性を犯そうとした。彼女たちを守る戦いで,ケンタウロスはラピテス族の英雄カイネウスを殺したが敗走した。ヘラクレスとの戦いも有名である。彼がケンタウロスの一人フォロスを訪ねたとき,酒の香に誘われたケンタウロスはヘラクレスを岩や石で襲ったが,道に燃える木や矢で追い返されてマレア半島まで逃げた。ケンタウロスのネッソスはディアネイラを連れてエウエノス河を渡ったが,彼女を犯そうとしたのでヘラクレスに殺された。この光景はアルカイック期の壺絵に好んで描かれている。すべてのケンタウロスが野蛮であったのではなく,ケイロンはクロノスとフィリュラのあいだの子で医術に長じ,アキレウスアスクレピオス・イアソンのような神の子や英雄を育てた。