●原人類 げんじんるい
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猿人類と旧人類の間に位置づけられる化石人類の一群。ホモ・エレクトゥス(Homo erectus),またはピテカントロプス(Pithecanthropus)ともいう。主として中部更新世,少なくとも90万年以前から生存していたらしい。種々の年代測定法により100万年以前の年代値が報告されているものもある。最初の発見は,デュボワが1891年にジャワで発見したピテカントロプス・エレクトゥス(Pithecanthropus erectus 直立猿人)。その後,旧世界各地(南・北・東アフリカ,中部ヨーロッパ,中国北部,ジャワ,日本など)において,頭骨・四肢骨・歯などが発見されている。最初は単に猿とヒトの間をつなぐミッシング・リンクとしてとらえられていた。最近ではHomo属,すなわちヒト属の最初の一員に分類されることが多い。より古いもの,ホモ・エレクトゥス・ロブストゥス(Homo erectus robustus)と,より新しいもの,ホモ・エレクトゥス・エレクトゥス(Homo erectus erectus)とに分けられる。特徴は,[1]四肢骨が直立歩行に適した形態をもつこと。[2]脳容積が猿人類と旧人類の中間型で,900〜1,100cc程度のものが多いこと。[3]頭骨が原始的要素を残すこと。長頭で前後に長く頭高は低い。前頭部の発達は弱いが眼窩上隆起は発達。[4]歯と下顎骨が大きく頑丈なこと。[5]握斧やチョッパーなどの前期旧石器文化を伴うこと。[6]火の使用が考えられること。【明石原人】日本の明石で1931年に発見された人骨。原名ニッポナントロプス・アカシエンシス(Nipponanthropus akasiensis)下部〜中部更新世か。左寛骨のみ出土。発見の経緯からその古代性について疑問視する研究者もいる。
【アトラントロプス・マウリタニクス Atlanthropus mauritanicus】アルジェリアのテルニフィヌ(Ternifine)で1954年に発見された原人類。新学名ホモ・エレクトゥス・マウリタニクスHomo erectus mauritanicus 。中部更新世。頭骨・下顎骨・歯が出土。両面握斧・掻器・有刃の小型斧など多数の石器を伴出。初期アシュール文化に属すと考えられている。
【シナントロプス・ペキネンシス Sinanthropus pekinensis】中国の周口店で1926年以来発見されている原人類。新学名ホモ・エレクトゥス・ペキネンシス Homo erectus pekinensis。中部更新世。頭骨・歯・四肢骨等が出土。チョッパー・石核・剥片を伴出。火の使用も認められる。
【ハイデルベルク人 HeidelberGman】ハイデルベルクで1907年に発見された原人類。ギュンツ・ミンデル間氷期。下顎骨・歯が出土。化石の形態から旧人類とみなされたが,現在では原人類と判断する研究者が多い。
【ピテカントロプス・エレクトゥス Pithecanthropus erectus】ジャワのトリニールで1891年に発見された原人類。中部更新世か。頭骨・歯・大腿骨などが出土。猿人類の化石が発見されるまでは最も古い化石人類と考えられていた。
〔参考文献〕埴原和郎編『人類学講座4・古人類』1981,雄山閣
井手経三『自然人類学』1984,北樹出版