●玄奘 げんじょう
AD602
602〜664(仁寿2〜麟徳1)中国唐代の僧。法相宗の開祖。洛州陳留(河南省偃師県)の人。俗姓陳氏,諱はイ※注1※。13歳で出家。洛陽の浄土寺で勉学したのち,隋末に多くの学僧が亡命していた成都に行き,さらに荊州・相州などで学んだが,教理の矛盾解決のため,国禁を犯して629年(貞観3)インドへ出発。中央アジア・カシミール経由でマガダ国に入りナーランダ学院にて戒賢に師事。大乗の唯識学(瑜伽論)を中心に仏教論理学や文法学などを広く研究し,インドでも一流の学者と認められ戒日王とも会見した。645年(貞観19)帰朝後,没するまで唐太宗の勅を受けて,『大般若経』『解深密経』『成唯識論』など総計76部1,347巻に及ぶ膨大な訳業を完成した。彼以後の訳を新訳,以前のを旧訳と称し,中国仏典翻訳史上の画期をなすとともに,世界史上最大規模の翻訳事業の一つでもある。これにより唐初の仏教界に法相宗が生まれ,日本の奈良にも伝えられた。弟子弁機は『大唐西域記』を撰し,慧立に『慈恩寺三蔵法師伝』がある。なお小説『西遊記』の三蔵法師は,彼がモデルである。
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