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●原始磁器 げんしじき

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国古代の釉(うわぐすり)をかけた硬陶。3%以下の鉄分を含む胎土でつくられ,その上に土灰釉(どかいゆう)を意識的にかけ,セ氏1,200度前後で焼成されたもので,灰釉陶釉陶ともいわれ,日本では灰釉と呼ばれている。3%以上の鉄分を含む胎土でつくられ,釉薬をかけないで焼成された吸水率の高い灰陶とは異なる。また,焼成過程で降灰が器面でとけてガラス状になった自然釉とも区別される。原始磁器は,揚子江下流地域に源流があるといわれる。殷代中期の二里崗文化には,灰白色の胎土でつくられ,器の内外に光沢のある薄い釉がかかり,硬度が高く鋭い音色を出し,水のしみこまない原始磁器が出土している。殷代後期から西周時代には,浙江・江蘇・江西・安徽・山東・河南・河北・陝西などの各省の遺跡から,原始磁器が出土する。器形には,尊・壺・豆・鼎・杯などがある。春秋戦国時代には,揚子江以南で多くつくられ,改良が加えられていく。土灰釉による褐・緑色の原始磁器は,その後しだいに発達して,後漢時代に青磁となる。

〔参考文献〕文物編集委員会編『中国考古学三十年』1981,平凡社