●原始共産制 げんしきょうさんせい
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個人や家族を単位とせず,氏族のような共同体を単位として土地その他の重要な生産手段を共有し,衣食住など必要物資の獲得・分配・消費を共同で行う社会体制が未開社会のある発展段階にあったと想定され,そのような社会体制を原始共産制と呼んだ。原始共産制の研究は19世紀から始まり,ゲルマン古代社会に土地共有制があったとするG.L.U.マウラーのマルク共同体説,L.H.モルガンの『古代社会』の社会発展段階に関する説,また社会発展の中心を経済構造に求めたF.エンゲルスの『家族・私有財産および国家の起源』などにより,原始共産制の存在はほぼ学界の定説とされた。しかし古代ギリシア・ローマの土地共産制に関するフュステル=ド=クーランジェの否定的見解をはじめ,実証主義の立場からのマルク共同体説への批判,また民族学・文化人類学の研究の成果にもとづくモルガンやエンゲルスの発展段階説への疑問などから,原始共産制の従来の学説は大きくゆるがされた。