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●元亨釈書 げんこうしゃくしょ

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 鎌倉末期,禅僧虎関師錬(1278〜1346)が著した日本の仏教史。1322年(元亨2)成立。釈書は仏書の意である。19巻までが僧伝。伝記の内容に精粗はあるが,聖徳太子から著者の時代に近い一寧一山・無学祖元など多数の仏教関係者を略記している。観勒・慧慈・曇徴など飛鳥文化にかかわり深い渡来僧をまとめるなど配列に工夫がみられる。20〜26巻は資治表・以下志・末尾に略例ならびに智通論を載せる。序文によれば仏教伝来から約700年,多くの高僧を得つつ発展してきた日本仏教通史が見当たらぬことに発憤して著述したという。また,別本によると一寧一山から日本史上における名僧の事蹟に詳しくないことを指摘され,これに恥じて発憤し著述したともいう。本書が成ると朝廷に献じ,大蔵経に加えられるよう請うて認められた。版本は1377年(天授3・永和3)発行。日本の神国思想・皇統のゆかしさを強調した内容をもつ点でも注目される。19巻までは凝然を作者とする説もある。