●幻覚 げんかく
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実際には対象もなく,感覚刺激もないのに,存在するかのように知覚する感性体験。錯覚は,実際にある感覚刺激を誤って別のものと知覚することであり幻覚とは異なる。幻覚はその感覚受容器により,幻視・幻聴・幻味・幻嗅・幻触・体感幻覚に分類される。幻覚は正常者にも生じ,入眠・出眠幻覚や孤立状況・感覚遮断時の幻覚,いわゆる幻覚剤を用いた実験,精神障害としての幻覚,四肢切断による幻影肢などがあげられる。病気の幻覚については,臨床的に意識障害の有無によって次の二つに大別され,鑑別上問題になる。[1]意識障害を伴わないもので,意識清明時に出現する幻聴を代表とする幻覚。その代表は分裂病で,“悪口を言っている”などの声がきこえたりする。[2]意識混濁時に出現する幻視を代表とする幻覚。その代表は,慢性アルコール中毒におこる振戦せん妄や,てんかんやヒステリーのもうろう状態の幻覚である。