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●拳 けん

アジア 日本 AD 

 今だれでも知っているジャンケンも拳の一種であるが,太田才次郎の『日本児童遊戯集』(1901,明治34)によれば,東京付近にも拳遊びと称して,子どもが成長するにしたがって,さまざまな唱え言を唱えながらその身ぶりをしたり手まねをしたりする拳遊びのあることを述べている。先に述べたジャンケンは主として鬼事のときの鬼定めの方法として使われた。このかけ声も「ジャンケンポン」のほか,「ちいりいさい」とか「しっしっし」また「ちっちっち」などいろいろあり,地方にもさまざまなかけ声があるらしい。またその方法に「深川ジャンケン」とか「大阪ジャンケン」といって,結果的に勝負が逆になるものなど,子ども自身によっていろいろな変化が考案されている。拳遊びのほうは「狐季」「虫拳」などが一番よく知られている。名主・鉄砲・狐の三つが三すくみの形で勝負を争う。虫拳も狐拳と同様に,蛇・なめくじ・蛙の三つが勝ち負けをからみ合わせるところに興味の中心があり,成人の酒席の余興などでも行われている。

〔参考文献〕『ふるさと遊びの事典』1976

小高吉三郎『日本の遊戯』1943

中田幸平『日本の児童遊戯』1970

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