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●ゲオルゲ

ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1863 ドイツ連邦

 1863〜1933 ドイツの詩人。ライン河畔ビンゲン近郊のビューデスハイムに生まれ,青年期よりヨーロッパ各地を遍歴し,この一所不住は生涯つづく。1889年,パリでマラルメの知遇を得て,象徴主義の影響下に詩作を開始する。1892年,ベルリンで「芸術草紙」を創刊し,“新しい感性に根差した精神的芸術”をめざして,厳格な形式美を追求する芸術至上主義を標榜する。この徹底した様式尊重の意志は,大文字を廃した独得の活字を使用し,彫琢された詩句の周到な配置による緊密な詩法,連作詩の愛好などにうかがえる。『讃歌』(1890),『巡礼』(1891),『アルガバル』(1892),『牧歌と讃歌・伝説と歌謡・空にかかる園』(1895)など初期詩集はいずれも少部数の私家版で,近代ドイツの文化的野蕃を糾弾し芸術を神聖視する峻厳な態度の証左でもある。名作『魂の1年』(1897)で自然の移ろいに寄せてうたわれた魂の孤絶と彷徨は,『生の絨緞』(1900)をへて,『第7の環』(1907)にいたって詩人の召命の自覚に結晶する。集中の連作に登場する夭折した少年マクシミンを導きの美神に,美の司祭,時代の予言者,精神の指導者を一身に具現する詩人の理想像を掲げ,その求道者的性格をわかちもつ同志の結びつきは,『盟約の星』(1914)において教団的色彩をますます濃厚にし,最後の詩集『新しき国』(1928)の詩的ヴィジョン,ヘルダーリン風の古代ギリシアの再生としてのゲルマン精神共同体へと昇華される。すでに「芸術草紙」を中心として成立したゲオルゲ派と称されるグループは,“盟約”の実現の端緒であり,クラーゲス・グンドルフ・コメレルベルトラムら優れた学者・批評家が輩出したが,一方,とくに〈新しい国〉で鮮明となった民族主義的な傾向がナチスに利用され,1933年スイスに亡命,ロカルノ近郊ミヌージオにて同年12月に没す。ダンテの『神曲』,シェイクスピアの『ソネット』ほか,ボードレールの『悪の華』を始め幾多のフランス象徴派の翻訳がある。