●経済外的強制 けいざいがいてききょうせい
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マルクスが『資本論』で,封建社会における余剰労働の収取の形式として名づけた用語である。マルクスによれば,資本-賃労働関係が確立している資本主義社会では,余剰労働の収取が労働力商品の売買を通して,価値法則に従って“経済法則”的に行われるのに対して,封建社会においてはそうでない。そこでは領主対農民という封建的土地所有関係が社会的基礎をなしているが,封建領主はいわば“上級所有権者”にすぎず,直接生産者である農民が生産手段の事実上の所有者であるから,余剰労働の収取が価値法則的にもたらされることはなく,直接的になんらかの経済外的強制によって行われざるをえない。そしてこの経済外的強制を支えたのは,封建社会の“共同体”的構造であり,農民は村落共同体の成員として,身分規定と土地緊縛に拘束され,財産能力を奪われている。封建領主は領主裁判権をはじめさまざまな経済外的強制にもとづいて,農民その他支配下にある直接生産者の余剰労働を“封建的地代”として直接的に収取するのである。〔参考文献〕大塚久雄・高橋幸八郎・松田智雄編著『西洋経済史講座』I・II・III・IV 1962,岩波書店松田智雄編『西洋経済史』1971,青林書院新社