●経国集 けいこくしゅう
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平安時代初頭の勅撰詩文集で,20巻から成るが,現存しているのは6巻だけである。良岑安世が南淵弘貞,菅原清公,安野文継らとともに編集したもので,宮廷人の漢詩・漢文を集め,827年(天長4)にできた。序文には,作者178人,詩917,賦17,対策38あるというが,現存するものはそれより少ない。詩賦は七言の律や絶句が多く,唐の影響を受けることが少なくなく,当時の貴族社会の好尚がうかがわれる。また省試の「対策」を載せてあり,それによって当時の貴族の教養の内容や程度がわかる。平安時代初期は,平安京への遷都によって新しい気分がみなぎった時代で,政治や宗教に新風がおこったが,文学では奈良時代に伝えられた漢詩・漢文が咀嚼され,深められた。奈良時代にできた『懐風藻』に続いて,勅撰詩集である『凌雲集』,『文華秀麗集』ができ,その後を受けて,「経国集」が成立し,漢文学が盛んになった。しかしそれは結局,唐の文学の模倣にすぎなかった。