●群馬事件 ぐんまじけん
アジア 日本 AD1884 明治時代
1884年(明治17)5月におこった自由民権運動激化事件の一つである。明治10年代後半の松方軍拡・デフレ政策のもとで,各地に負債返済に関する農民騒動がおきていた。一方,群馬県甘楽(かんら)郡では,群馬自由党が勢力拡張を試みていた。1884年,同自由党の湯浅理兵・小林安兵衛・三浦桃之助・日比遜らは,困窮農民・猟師・博徒を組織,武力峰起を計画した。彼らは,5月1日の中山鉄道開通式で政府高官を襲撃することを計画したが,政府に情勢を察知され,中止した。しかし,ひとたび集合した農民らの勢いはおさまらず,岡部為作の高利貸付会社を打ちこわし,松井田警察分署を襲撃,ついで高崎兵営に迫まろうとして,士気衰え解散した。日比ら42名は懲役が科せられた。この事件は,自由党急進派が,自由党員の政治的激化と負債農民の騒擾とを初めて結びつけた事件として,秩父事件へすすむ前段階であったといえる。