●群集心理 ぐんしゅうしんり
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群集(群衆)とは偶然の事件を契期に,たまたま一定の場所に集まった非組織的匿名の集合体のことで,フランスのル=ボンが初めてその存在に注目し,その心理的特質を群集心理と呼んだ。彼はその特徴として,被暗示性・情動性・匿名者同士の一体感・親近性・無批判性・無責任性などの非合理性を強調し,民主主義のネガティヴな評価にもつながり,ファシズムの武器としても利用された。タルドの公衆はまさにこれとは区別される対照的な自律的・創造的な肯定的な面が強調された集合体で,民主主義のアクティブな面を評価しようとしたものといえる。ブラウンは行動の仕方から群集を暴動・テロのときにみられるような情動的で積極的に行動する暴徒と,音楽会の聴衆のような受動的な会衆に分けている。なお最近の大衆社会状況の進展とともに生まれた〈孤独な大衆〉の存在,マス=コミュニケーションの大衆操作の可能性の増大とあいまって,民主主義の危機の再到来と心配するむきもある。