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●軍記物 ぐんきもの

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 戦乱をおもな素材とした,叙事的な文学作品の総称。初期のものとして『将門記(しょうもんき)』『陸奥話記(むつわき)』が,あげられる。前者は,940年(天慶3)ごろ成立し,東国で平将門が乱をおこしたときの模様を,漢文体で記し,後者は1062年(康平5)ごろ成立し,前九年の役のできごとを,同じく漢文体で書いている。本格的な戦記物としては,13世紀半ば成立の『保元物語』『平治物語』が,はじめとされる。そして,平氏一門の興亡を描いた『平家物語』が登場し,軍記物の一つの頂点をそこにみいだすことができる。以降『源平盛衰記』『太平記』と,秀作がつづくが,次の室町期となると,群小の合戦記は散見できるが「記録的なもののみで,文学的価値は少なくなる。『義経記(ぎけいき)』『曽我物語』も,歴史小説の部類に入るものであろう。軍記物は後人の手が入り,成長発展してきた点では,国民的な文学作品と考えられる。