●クローバー
北アメリカ アメリカ合衆国 AD1876
1876〜1960 アメリカの文化人類学者。北米インディアンの民族誌的研究から始まって,独特の文化理論を築きあげた。彼は〈文化は文化から〉という立場に立って,心理学的な還元論を排しながら,他方で文化の超有機体説を説いた。20世紀初めは社会進化を生物進化の法則から説明しようとする社会進化論が勢力を得ていたが,文化は有機体つまり生命現象とは異質な領域に属すと唱え,超有機体論を主張した。クローバーの研究はさまざまな軌跡を描いている。『カリフォルニア=インディアンのハンドブック』(1925)では,文化領域の記述を試みているし,『文化成長の諸形相』(1944)では,古今東西の文明を対象とし,哲学・文学・芸術などの分野にわたって,その発展の共通性を求めようとした。だが,生涯を通して,彼の研究は豊かな教養に支えられながら,経験主義的方法にもとづいて,文化の相対性を説く立場にあったといえる。