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●クレイステネス

BC549 

 前549ごろ〜? アテナイの政治家。地区改革を通してアテナイの民主政への発展を決定的に推進した。アテナイの名門アルクメオン家の出身で,ペイシストラトス家の僭主政打倒ののちに,寡頭派との政争に破れて亡命したが,帰国後に民主的改革に着手した。僭主の再現を阻止するための陶片追放の制度とともに,彼の部族改革はきわめて重要な意味をもっている。従来は,アテナイの行政の基本単位は人的結合にもとづく四つの氏族的部族であったが,クレイステネスはこれを地域的部族に改編した。まず,基本的組織として多数の区を設けて,全アテナイ人を改革時に居住していた区に所属させ,各市民の出身を区名で表すようにした。この区を基本単位として,それぞれ10のトリッテュス(3分の1の意味)からなる市街地・海岸・内地の3群のうちから抽籤の組み合わせによって,10の新しい完全に地域的な部族を構成した。この地区改革と連動して行政改革が行われた。ソロンが旧来の4部族制を基礎として構成した氏族的400人評議会は,新しい地域的各部族の50人から成る500人評議会に改編された。とくに重要なのは,各部族から一人ずつ計10人の軍事最高職が選挙によって選ばれたことである。軍事と政治が未分化な状態においては,以後はこれらの将軍が政治指導にあたることになった。クレイステネスは,地区改革・行政改革を通して,貴族制の遺制を破壊したのである。