●蔵屋敷 くらやしき
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江戸時代に諸藩が年貢米その他産品を売却するため,大坂・江戸に設けた倉庫兼事務所。公家・社家・高禄の幕臣藩士もこれを設け,敦賀・大津・長崎などにもみられた。蔵屋敷が置かれることによって全国的商品流通の発展を促した。最大の繁地は大坂で,諸藩の倉屋敷が延宝年間(1673〜81)91邸,天保年間(1830〜44)124邸,大名以外のものを加えると多いときには中之島・堂島・天満など旧淀川筋に数百の蔵屋敷が櫛比した。その壮観は,番船出航之図や摂津名所図会などの好画題として描破された。蔵屋敷の役員には,国元から派遣された蔵役人のもと,蔵物の保管・売払いをつかさどった蔵元,売却代金を収納・保管し,大名の求めに応じ国元や江戸に送金する掛屋があり,富商が両方兼ねた例がある。蔵屋敷は年貢米の販売機関として発足,のち蔵物は大名貸の担保物と化する傾向になった。廃藩置県により,政府に収用されその使命を終わった。