●蔵米 くらまい
アジア 日本 AD
江戸時代,幕府および諸藩のお蔵に収納された年貢米のことであるが,春秋冬の3季に分けて家臣に支給される切米をさす場合と諸藩の蔵屋敷から払い出される年貢米をさす場合とがある。蔵物の中心をなす蔵米の大坂における入津高は西国筋から廻漕されるもの,年に200万〜250万俵。北国筋からは年30万〜40万俵。近畿産米を加えれば年間300万〜350万俵にのぼるものと推計されている。このうち,百姓・町人向け納屋米は4分の1内外とみられる。各地から廻漕されるもののうち,四蔵米といわれたのが筑前米・肥後米・中国米・広島米であり,これらが堂島米市場における相場基準米とされたことも広く知られている。幕府は米価の安定に腐心し,一般物価の基準となる米価調節のため廻米令,引上げのためには廻米制限令が出されることがしばしばであった。江戸にあっては武総両地方から利便な隅田川を考慮してお蔵を設け,徳川家臣団への俸禄が支給されたが,そのなごりを“蔵前”の地名は伝えている。