●クラ貿易 クラぼうえき
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ニューギニア島東端と,それに近い島々をさすマッシム地区で行われる儀礼的な交易組織。イギリスの人類学者マリノフスキーが,その中心的なトロブリアンド諸島(キリウィナ島ほか4島)で1910年代に調査したことからその存在が知られ,いまなお旧慣がつづいている。この地区には農耕に優れた才能をもつトロブリアンド諸島民,土器や石器製作あるいはカヌー建造に巧みな技量をもつほかの島民がおり,それらの交易が盛んであった。それとは別に儀礼としての交通と貿易があった。使われる儀礼品は2種の貝製装身具で,一つは赤い貝のネックレスで,地区内の島々を右回りに,もう一つは白い貝のブレスレッドで左回りに,伝えられていく。ほかの物品交換のさいには値切る交渉も行われるが,クラにはない。授受にあたっては,伝統的な規則と儀礼を守ることが要求される。また,これの輸送にあたるカヌーの乗組員も長途の航海に堪えられる者でなければならない。