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●グラックス兄弟 グラックスきょうだい

ヨーロッパ ヨーロッパ BC162 

 兄ティベリウス=センプロニウス=グラックス(前162〜前132)と弟ガイウス=センプロニウス=グラックス(前153〜前121)の二人。母は小スキピオ=アフリカヌスの娘コルネリア。二人ともローマ共和政末期の政治家・社会改革運動家。

【兄ティベリウス=グラックス】前137年財務官として任地のイスパニアに赴任する途中,エトルリア地方で,長年の遠征によって没落した中小農民や大土地所有の進展の実情をみて,改革を決意したといわれている。彼は土地の再配分による自作農の創設による国防力の強化をはかろうとした。前133年,護民官に就任し改革に着手し,500コゲラ以上の公有地の所有の制限や土地の再配分などを内容とした土地改革法案を提出し成立させた。土地配分委員会を設けて改革の実施にあたり,そのため護民官の再選をめざして立候補したが,元老院の保守派の反対にあい,いとこのスキピオ=ナシカらに暗殺された。

【弟ガイウス=グラックス】前123年,前122年とつづけて護民官に選出されて兄の改革運動を継承した。そして,ローマの市民に穀物を安価に売る穀物法案,アフリカに植民市を建設する植民市法案,17歳以下の青年の軍役徴募の禁止と国家による武具の無償提供などの軍事法案などを実施した。しかし,ラテン人・イタリア人へのローマ市民権賦与の問題をきっかけにローマ市民と元老院の激しい反対がおこり,武力紛争となりティベル川の河岸で自殺した。兄弟の改革により土地所有者がいくぶん増加したが,前111年の土地法により公有地の私有が認められ,大土地所有が進展した。