●クラヴィホ
ヨーロッパ スペイン AD
?〜1412 中央アジア,サマルカンドを首都とするティムール朝に派遣されたスペインの外交使節。カスティリャとレオンの王,エンリケ3世の侍従。1403年5月23日,南スペイン,大西洋岸のカーディス港を出帆,ジブラルタル海峡・西地中海・シチリア島・ロードス島・エーゲ海・ダーダネルス海峡・コンスタンティノープル・黒海と船の旅をつづけ,トレビゾンドから先はエルズルム・イランの諸都市(タブリーズ・テヘラン・マシュハド)を,ティムール朝領内を結ぶ駅伝制度を利用して陸路の旅をつづけ,9月8日,サマルカンドに到着した。帰国したのは約3年後の1406年3月7日であったが,往復の旅での見聞をまとめた旅行記は,15世紀初頭の中東・中央アジア情勢を伝えるものとして貴重である。とくに1402年7月20日,アンゴラ(現アンカラ)郊外でオスマン朝のバヤジット2世を破った直後の晩年におけるティムールのひととなり,またビザンツ帝国末期のコンスタンティノープルの様子が生き生きと描写されていて,歴史的にも興味深い書である。〔参考文献〕クラヴィホ,山田信夫訳『チムール帝国紀行』1967,桃源社