●クミス
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中央ユーラシア各地の騎馬遊牧民の馬乳飲料。モンゴル語でウスック,またはチグといい,トルコ語でクミスという。その製法は生乳を革袋または木桶に入れ,これに古いクミスを酵母として加え,数日間放置し,ときにかきまぜる。酸味をおびれば飲用する。ふつう白濁しているが,7〜8日かきまぜるとしだいに透明となり,生ぐささがとれて甘くなる。成分は酒精1〜2%,乳酸0.5〜1.5%,乳糖2〜4%,脂肪1〜2%を含む。馬乳をこのようにして飲む風習は古くから行われたらしく,ヘロドトスはスキタイ人の飲料として同様のものを伝えている。モンゴル人も太古からこれを飲料としてきた。クミスを蒸溜すると馬乳酒となる。馬乳酒はモンゴル語でアラキ,キルギス語でアラクという。アラキは種々の祭り,宗教儀礼に用いられ,庶民の日常の飲料ではない。これに反し,クミスは毎日作られ,一般庶民の日常の飲料で,ひろく各地の遊牧民に用いられる。