●狗奴国 くぬこく
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『魏志倭人伝』(ぎしわじんでん)によれば,〈倭の女王卑弥呼(ひみこ)狗奴国の男王卑弥弓呼と素より和せず〉とあるように,女王卑弥呼に対立した国。狗奴国の所在は卑弥呼の支配する国々の南にあったことは,〈其の南に狗奴国有り。男王を王となす。其の官に狗古智卑狗有り〉からうかがえるが,女王国の所在地が必ずしも一定しない段階では,おのずから狗奴国も明らかではない。女王国を北九州あたりに想定させるならば,狗奴国は,中部九州からその南にかけての地域と考えられる。その場合,官名の狗古智卑狗は,「くこちひく」つまり,菊池彦ともよめるので,肥後の菊池(くくち)郡にちなむものと考えられる。狗奴も熊(くま)とよむとすれば,肥後の球磨郡あたりかもしれない。だが,女王国を畿内などに想定すれば,狗奴国は毛野国に,狗古智卑狗は伊予の河野などにも比定されるなど,諸説が必ずしも一定していない。〔参考文献〕和田清・石原道博編訳『魏志倭人伝・後漢書倭伝宋書倭国伝・隋書倭国伝』岩波文庫