●口寄せ くちよせ
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神託や死霊のことばを,霊媒である民間の巫女に語らせること。転じて,この巫女をさしていう。イチコ・イタコ・マンニチ・オシエ・イチ・ユタなどと呼ばれる巫女が,第三者を霊媒に仕立てて行う場合と,自らが語る場合の両方法がある。神霊に吉凶などをうかがうのをカミクチ(神口)といい,死霊を呼び出して語らせるのをホトケクチ(仏口)というが,口寄せといえば,一般に後者をさす場合が多い。仏口には,まだ埋葬儀礼をへない霊に対して行うイキクチ(生口)と葬儀後の死霊に行うシニクチ(死口)とがある。生口には行方不明者を含む。死口には,死後100日をへない死霊に対し,絶ちがたい恩愛の情から行うシンクチ(新口)と,それ以降の,彼岸・盆や周忌に供養・回向を兼ねて行うフルクチ(古口)とがある。死者の心残りや死の原因などを死者の口を通じて語る新口には同席者の号泣をさそうものがある。死後,7日目,49日目に行う場合が多い。神口をカミオロシ,仏口をホトケオロシともいうが,ともに日本人のカミ観念・他界観念を知るうえで重要である。〔参考文献〕桜井徳太郎『日本のシャマニズム』下巻,1977,吉川弘文館