●曲舞 くせまい
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久世舞とも書き,また舞とのみいう。1350年(正平5・観応1)に初見され,室町時代に盛行をみた舞踊の一つ。折烏帽子に直垂,稚児・女房は立烏帽子に水干,鼓を伴奏とする。白拍子の分派だが歌謡につれて舞うのではなく,一つの筋立った物語にしたがって舞う。しかし劇としての要素は未完成であった。演目は室町時代後期では単記物系が多いが,それは当初からのものであったか否かは不明である。室町時代,京都で勧進の曲舞がしばしば行われて人気を博し,女曲舞や児曲舞なども現れたが,これを演じたのは声聞師などの最下層の人々であった。室町時代中期になって,曲舞を演じる多くの流派のなかから,越前の幸若太夫が演じる幸若舞が二人舞という形式をつくり上げて人気を得,曲舞の主流となっていった。幸若舞はその演目のなかに多くの軍記物を含み,織田信長・豊臣秀吉・徳川家康などの愛顧をうけた。現在この幸若舞は,福岡県山門郡瀬高町大江に唯一つ伝承されている。