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●クズルバシュ

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 サファヴィー王朝の設立にさいして,軍事力の中枢として運動を支援したトルコマン族の別称。同王朝の前身である神秘主義教団サファヴィー教団の長ハイダル(1460〜88)は,1488年の遠征に先立ち,従者に12の布切れをあしらった帽子を被らせた。これが赤色であったことから,敵のオスマン人は,クズルバシュ(赤頭)と呼んだ。もともと侮蔑的に用いられたが,教団の支持者たちは,誇りの徴(しるし)と考えた。厳密には,この語は東アナトリア・北シリア・アルメニア高原に住むトルコマンに対して用いられたが,やがて,非トルコマンであっても王朝の支持者に対して漠然と用いられるようになった。王朝の権威・権力が確定すると,彼らの勢力は国政の枢要な部分におよび,国王の選定にまで干渉をするようになった。このため,シャー=アッバース1世(1588〜1629)は,コーカサス・グルジア・アルメニア出身の奴隷を直属する常備軍として育成し,クズルバシュ勢力と対立させた。また,彼は有力なクズルバシュの長をほかのクズルバシュの勢力地域に任命することによって,たがいに牽制させた。この政策は一時的に効果をあけたが,長期的には,サファヴィー軍の弱体化を招き,王朝衰退の遠因となった。