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●久隅守景 くすみもりかげ

アジア 日本 AD1602 江戸時代

江戸時代の画家。狩野探幽1602〜74年(慶長7〜延宝2)の高弟であり、探幽門下の四天王の一人と称されたが、その生没年や伝記についてはよくわからない。狩野派は当時、徳川幕府御用絵師として画壇に君臨し、狩野の嫡流である探幽は、多くの江戸の画家を従えて権勢を誇っていた。江戸狩野の画家の作風が次第に形式化し、凡俗化するなかで、その流派に属した久隅守景の作品を考えることは、非常に興味深い。現在、国宝に指定されている「納涼図」(二曲屏風、一隻、紙本淡彩、文化庁蔵)に見られる彼の作風には、題材・技法ともに従来の狩野派には想像できぬほどの清新さが満ちあふれている。質素な茅屋の軒先には夕顔棚があり、その下に親子3人と思われる男女がむしろの上でくつろいでいる。大きな月が画面左上に白く描かれ、夏の夕暮れの雰囲気が精緻な人物描写と相まって、市井の庶民生活の風俗を、じつに見事に描き切っている。