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●公事 くじ

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 [1]日本古代で公務または朝廷で行われる行事のこと。「くうじ」「おほやけごと」ともいう。律令時代では国家的な行事や政務を指し,また租・庸・調などの税の総称としても使われた。平安時代においては,政務はすべて儀式化したので,朝廷の行事や儀式を意味するようになった。[2]中世,荘園制下で田地に対して賦課される年貢(所当)以外の雑税・夫役をさす。この意味での公事は,律令制の庸・調・雑徭(ぞうよう)の流れをくむもので,人に対して賦課された。その内容は雑多で,賦課する側からの呼称として,勅役・天役・院役・神役・寺役・本家役・領家役・国役・武家役・守護役などがあり,また賦課される対象による呼称として,段銭棟別銭(むなべつせん)・座銭・関銭・津料(つりょう)などがあった。諸種の公事をまとめて雑公事(ぞうくじ)・万雑(まんぞう)公事と呼んだ。[3]中世・近世では訴訟をさす。ことに近世では勘定所や奉行所に裁判を求める争訟を公事または公事訴訟といい,訴えごとである訴訟とは区別した。この公事(訴訟)は公事出入ともいい,現在の民事訴訟にあたる。公事(訴訟)には,金銭の債権・債務にかかわる金(かね)公事と,その他の争訟である本(ほん)公事とがあった。18世紀に入ると商品経済の発展を反映して,幕府の勘定所に持込まれる公事(訴訟)ことに金公事が激増し,幕府は1721年(享保6)勘定所の機構を改革して,公事(訴訟)や代官所からの上申事項を担当する公事方と,幕府の財政や幕領の支配を担当する勝手方に二分した。また江戸・大坂などの都市には,公事(訴訟)の代行や指導を業とする公事師や,公事当事者の定宿となる公事宿が出現した。