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●愚管抄 ぐかんしょう

アジア 日本 AD1220 鎌倉時代

 歴史物語。天台座主(ざす)慈円(じえん)の作。1220年(承久2)ごろ成立。慈円には家集『拾玉集(しゅうぎょくしゅう)』があり,藤原忠通(ただみち)の子で,歌人でもあった。保元(ほうげん)・平治(ヘいじ)の乱,源平の動乱,承久の乱,南北朝の争乱という戦乱と,貴族階級の没落と武士の台頭のなか,いくつかの歴史物語が誕生した。6巻に付録1巻という構成で,巻1・2は神武天皇より順徳天皇にいたる歴代天皇・摂関・天台座主の記事。3巻より6巻まではその間の盛衰の歴史。付録では仏教的見地に立ち,世の変遷する道理を説いている。その執筆の意図については,後鳥羽院による討幕計画の阻止が目的とされている。当時は武士の力が強大で,王法は弱まりつつあった。しかしあと数十年公武の戦いを延ばすことができるなら,両者は宥和することが,できるだろうという考えがその根底にあった。文章は口語的俗語表現が,多用されている。