●グエン=ズー
アジア ベトナム社会主義共和国 AD1765
1765〜1820 ヴェトナム阮朝前期の詩人。国民文学の傑作としてヴェトナム人にもてはやされる,字喃で書かれた長編詩『金雲翹新伝(キムヴァンキエウ)』の作者として知られるが,漢詩人としても阮朝屈指の詩業を残した。自選詩集の『北行詩集』『南中雑吟』『清軒前後集』によって優れた七言律詩が数多く伝わっている。攸は河静の出身で,19歳で黎朝に出任し,黎朝が西山党の革命で滅亡した後は故郷に帰り,隠棲した。阮朝創立後世祖の命で阮朝に仕え治績をあげた。1814年勤政殿大学士に陞任,歳貢正使として清国に使いし,帰国後礼部右参知となった。作者不詳の中国の章回小説『金雲翹伝』をヴェトナム独特の六八体詩3,524行の長編詩に訳したのはこのころらしい。彼は単なる翻訳文学に終わらず,民族語叙事詩の典型を完成し,近代語の形成に寄与し,民族の心理と倫理観を巧みに表現した国民文学を完成した。