●空也上人像 くうやしょうにんぞう
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京都六波羅蜜寺にある鎌倉前期の肖像彫刻。空也は平安中期諸国を遍歴し,弥佗の名号を唱えて念仏をひろめた僧である。架橋・掘井などの社会事業を行って市聖(いちのひじり)と呼ばれ,のち六波羅蜜寺を建立した。像高117.6cm。重文。像はきわめて写実的である。裾の短い衣に草鞋(わらじ)姿で,左手に鹿杖をつき首にかけた鐘を右手の撞木でたたいて,念仏を唱えながら歩き回っている姿を写している。当時の,念仏を唱えて歩く行者(念仏聖)の姿は,このようなものであったといわれる。体を前にかがめ顎を出し,念仏に熱中して衣が右肩からずり落ちるのも忘れたポーズ,のどぼとけ・肘骨・手足の血管・衣のしわなど細かいところまで神経が行き届いている。口には,念仏の音声を写した6体の化仏が取りつけられている。この像は体内の銘記から,運慶の4男で,写実彫刻の名手といわれた康勝の作と伝えられている。鎌倉時代肖像彫刻の,代表的作品の一つである。〔参考文献〕『日本古寺美術全集25』1981,集英社
『原色日本の美術9』1968,小学館
『文化財講座日本の美術7』1978,第一法規