●欽天監 きんてんかん
アジア 中華人民共和国 AD
中国,明・清代における官庁名。ほぼ現在の国立天文台に相当する。その役目は暦書の編纂を中心として,天文観測・暦日の吉凶・時間の管理のほか,天災地変に注意したり,国家の安危を占ったりするものであった。この種の役所は古くからあったが,時代によって変遷があり,明代になって大史監,太史院と呼ばれたものが,1370年(洪武3)からこの名称に改まった。一方ではイスラーム天文学によって暦計算を行う回回欽天監があったが,これは1398年(洪武31)に廃止された。欽天監の長官は正五品の監正であり,その下に正六品の監副および春・夏・中・秋・冬を冠した官正があった。また,時憲科・天文科・漏刻科の3科にわかれ,時憲科は製暦を,天文科は観象を,漏刻科は整時をつかさどる。清朝も同じ官名を踏襲し,中華民国が成立するとともに,欽天監も中央観象台と改まった。清では康?朝より1826年(道光6)まで監正に満州人とともに西洋人を用いていたが,そのなかでもアダム=シャール(湯若望)などが有名である。なお欽天の名は『尚書』?典に〈欽若昊天〉とある語に由来する。