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●今古奇観 きんこきかん

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 中国,明末の通俗短編小説集。抱甕老人撰。40巻。いわゆる「三言二拍」198篇の小説のなかから40篇を選んで編集した。『古今小説』から8篇,『警世通信』から10篇,『醒世恒言』から11篇,初訓『拍案驚奇』から8篇,二刻『拍案驚奇』から3篇を選んでいる。編者の素性は未詳であるが,宋元時代の作品を意識的に避け,明代の作品と推定される写実小説のうち,とくに文章の優れたものを選んだようである。したがって,当時の現実生活を忠実に伝え,伝統的な儒教・仏教・道教思想の混在するなかに,旧社会の礼教の崩壊過程を示す作品も含まれている。1632年(崇禎5)から1644年(崇禎17)にかけての期間に出版されたと推定されている。この書の流行で,「三言二拍」はほとんどかえりみられなくなったが,また同時に多くの亜流を生み出した。清代の伝奇の『胡蝶夢』は,この書の内容を戯曲に構成したものであり,わが国の滝沢馬琴の『松染情史』『美少年録』や都賀庭鐘の『英草紙』など多くの作品が生まれた。

〔参考文献〕千田九一・駒田信二・立間祥介訳『今古奇観−明代短編小説選集−』平凡社東洋文庫

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