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●居庸関 きょようかん

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,北京市の北西60km,大行山脈北部の隘路に造られた関。河北よりチャハル省東南部に入り,さらにモンゴル高原に通ずる街道の要地であり,京包鉄道もこの地を通過する。居庸関を中心とする関隘は,南口より北口(八達嶺)まで約15kmあり,その間に500mの高低差があって,きわめて嶮阻な地形を形成し,古くから「天上九塞」の一つに数えられていた。北京に対する防禦線として重要であり,北方民族の侵入を防止する拠点であった。元の順帝の1343年(至正3),この地の街道のうえにラマ教特有の宝塔である過街塔が造営されたが,塔の部分は壊れて現存せず,現在では台座と石欄を残すのみである。塔下の門洞の内外には,ラマ教芸術の彫刻があり,また両壁にはサンスクリット・チベット・パスパ・ウイグル・西夏・漢の六体文字による陀羅尼などが刻まれていて,元代の重要な文化遺跡となっている。