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●郷約 きょうやく

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,同郷の郷人がともに守るべく定めた規約。教化互助を目的とし,実行のための組織をもつ。1076年(煕寧9)呂大釣兄弟が郷里の藍田(陝西)で行ったのが始まりで,これをふつう『呂氏郷約』と呼ぶ。“徳業相勧(すす)む,過去相規(ただ)す,礼俗相交(まじ)わる,患難相恤(めぐ)む”の4条の綱領と賞罰・集会・役員選出の規定がある。約正1〜2人,直月(当番)1人を置き,毎月1回会合する。会合では,飲食をともにし,約人の行動の善悪の記録と賞罰・事業の論議を行う。史上,朱熹・王守仁などの郷約が有名であるが,郷約が盛んになったのは明の中期以後である。明・清の郷約も『呂氏郷約』を基本にするが,内容と性格に増減・変化があった。明代には,地方官が中心になり,郷村秩序維持のための行政組織的性格が目立つ。また,太祖の『六諭』の講読が重視された。清代には聖祖の『聖諭』の講解が主目的となり,民間の自主・自助的団体の性格はなくなった。