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●郷兵 きょうへい

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,民兵制度の一種で,民兵が支配地全般から徴発されたのに対し,郷兵は特定の地域の防衛,つまり自分たちの住んでいる郷土を防衛するための民兵である。唐・五代・宋・明の各時代にみられたが,とくに北宋時代の郷兵は組織的にも軍事力でも大いに力を発揮した。当時北宋は,北方の契丹や西夏の侵入に脅かされていたため,郷村防衛に組織された郷兵はとくに北辺で発達し,河北・河東,陝西では正規軍以上の働きをみせ,侵入する敵国も恐れをなしたという。20歳〜60歳の年齢構成で,毎年一定期間訓練を受け,平時は耕作に励んだ。こうした郷兵を含む民兵制度は,軍事的には常設軍の力に及ばないのは当然ながら,郷土愛から発揮する力は目を見張らせるものがあり,かつ平時は耕作その他に従事していることから,軍の維持費の面でも時の政権にとって重宝な存在となった。しかし明代末期の例をみると,初期にこそ力を発揮したが,徐々に職業化することで弱体となった。