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●教育評価 きょういくひょうか

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 教育という行為自体が,子供のなかに新しい価値をみいだし育てるという意味で,日常的な教育活動,たとえば子供を叱ったり褒めたりすることをも含めて,広義の教育評価ということができる。しかし一般にはもう少し限定した意味に使われている。まず,学力や技能や能力の一側面を量的に測定する場合のことをとくに「測定」という。この結果を含め人格の変容や教育活動の効果について価値的な評価を行うことを“evaluation”といい,1930年代アメリカで用いられはじめた。教育評価の対象となるのは単に子供の学習効果だけでなく,教育目標や方法・施設の妥当性・教材の選択・子供の生活態度・行動・性格を含み,その他教育過程におこる多くのものを含んでいる。

【教育評価の分類】このようにして行われる教育評価は,評価の時期によって三つに分類され,その方法において大きく三つの型があげられている。まず時期による分類からみると,学年や学期の初めに学習指導計画の資料を得るために行う「診断的評価」,学習指導の途中で学習指導を効果的にするために行う「形成的評価」,学年や学期の終了時に計画した目標に子供がどの程度到達したかをしらべる「統合的評価」の三つに分けられる。次に方法による分類からみると「主観的絶対評価」「相対評価」「到達度評価」「個人内評価」に分けられる。「絶対評価」は戦前の日本で実施されたもので,「甲乙丙丁戊」「優良可」などがそれであるが,いずれも評価者(教師)がもつ主観的な基準への接近度で評価が下された。「相対評価」は戦後(1949)から実施されたもので,集団の得点が正規分布になることを仮定し,機械的に7%・24%・38%・24%・7%の割合で5・4・3・2・1にふり分けるものである。

【改革の方向】この型の評価方法に対し,評価は本来クラス内での相対的な序列を示すものではなく,児童生徒一人一人に学力がどこまで身についているかを示すものであるべきだとの批判が広く支持されるようになってきた。この動きに多大の影響を与えたものとしてブルームらの〈教育は長いあいだ選択機能に重点がおかれ〉〈何よりもまず生徒を序列づけ〉することにのみ利用されてきたとの衝撃的な発言があった。アメリカでは,教育評価見直し作業のなかで1968年を境として相対評価から「高度の到達・到達・未到達」などの表示によるものへと移行してきている。方法による分類の3番目「到達度評価」の考え方は,このようにして5段階相対評価への疑問・反省の運動として,ブルームなどの提起を受けながら1970年代に入って具体化されていった。この改革運動を方向づける契機となったのは,京都府教育委員会を中心とした到達度評価の実践である。京都府教育委員会は,1973年(昭和48)高校の指導要録改訂に際し,学習評定法を到達度評価にすることを示し,1975年(昭和50)2月にはこれを小・中学校においても実施するよう提起した。この「研究討議のための資料 到達度評価への改善を進めるために」(1975,京都府教育委員会)は小・中学校についても,指導要録の評定を到達度評価に改善するだけでなく,各教科の本質に照らした学力構造の検討,教育内容の精選・系統化,教育内容の到達目標化について提起し,さらにこれらの改革を授業改善へと結合させることの緊要さを強調している。以上,教育評価の時期や方法という側面から分類してみたが,またこれとは別に個々人の実態を考慮した向上の可能性を基準とし,個々人の努力目標への接近度を評価する「個人内評価」などを参考資料として併記したりするなどの,多様な試みが広く実践されている。

〔参考文献〕高木一郎『到達度評価とその生かし方』1981,日本図書文化協会

辰野千寿ほか『測定と評価の心理」教育出版

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