●キューピッド
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正しくはクピド(Cupido)という。ローマ神話の愛の神。ウェヌス(ビーナス)の子。ギリシア神話でアフロディテの子エロスが愛の神であるのと対比される。多分ギリシア神話がローマに受け継がれたのであろう。ちなみにクピドは“愛欲”を表し,ローマの詩人はこれをアモール(愛)と同義に扱っている。この二義性はエロスにおいてもみられる。エロスは単なる肉欲だけでなく,たとえばプラトンに扱われるように,高尚な精神的愛にまで高められている。エロスとキューピッドの違いは芸術上の表象にある。前者は高貴な青年として描かれるが,キューピッドはポンペイの壁画にみられるように欲情の矢を射る羽根のはえたいたずら小僧として登場する。明らかにこれはヘレニズム時代の詩人の想像力の賜物である。