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●九章算術 きゅうしょうさんじゅつ

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国最古の算術書。著者および著述年代は明らかでないが,263年(景元4)に三国魏劉徽が注釈を施しており,このころにはすでに完成していた。構成は9章246問からなり,各章は同種の計算を用いる実用的例題を集め,一種の問題集の形式をなしている。各章の表題と内容は,方田(面積計算)・粟米(穀物の交換比率)・衰分(比例按分)・少広(面積体積の逆算)・商功(体積計算)・均輸(平均)・盈不足(鶴亀算)・方程(連立一次方程式)・句股(三平方定理)である。実用的な例題には秦漢時代の制度運営の実情をうかがうことができ,当時の社会経済史の資料としても重要である。劉徽円周率の近似値で有名であるが,本書の注は計算式と答のみを記し証明を欠く本書の記述を補い,それ自体優れた数学的内容を有している。数学は唐代に入って算学として教育制度に組み込まれたが,内容の豊富さと程度の高さから,本書はその中心的位置を占めた。