●95カ条の論題 きゅうじゅうごかじょうのろんだい
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1517年ウィッテンベルク大学の教授マルティン=ルターが贖宥状販売の行き過ぎに反対して,神学上の討論を求めた文書。教皇レオ10世は聖ペテロ大聖堂完成の名目で贖宥状を発行,マインツの大司教アルブレヒトの監督のもとで巡回販売僧ヨハン=テッツェルがドイツで販売した。ルターは安易に罪の消滅を約束する贖宥状の購入による民衆の宗教的堕落を懸念し,『論題』のなかで真の悔悛なしに教会法や贖宥状による罪の許しは得られないと主張した。この段階では贖宥状の全面的否定も,教皇権へ挑戦する考えもなかった。しかし,『論題』はすぐさま流布し,彼の意図を離れ,贖宥状否定の提言と受けとめられ,反響を呼ぶ。その後ルターはローマ教皇庁の神学者,インゴールシュタット大学の教授ヨハン=エックとの討論のなかで,贖宥状の問題を超え,教皇至上権・聖職身分を否定するにいたった。『論題』は歴史的経過のなかで当初の意図を離れ,宗教改革の発端になった。