●キヤース
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イスラーム法が依拠する法源の一つ。アラビア語の原義は「類似」,あるいは「類似のものでものを評価すること」である。この法源はコーラン・ハディース(伝承)に明文規定がなく,イジュマー(ある事件について学識のある法学者であるムジタヒドの法判断が一致すること)が存在しない場合に法判断の根拠として使われる。キヤースを使った法判断は次のような方法で行われる。たとえば,かつてナツメヤシを蒸溜してつくったアルコール性飲料を飲むことが,イスラーム法で禁止されている飲酒行為に相当するかどうかを判断しなければならなかったとき,法学者は明文規定がないために類似例をもち出して法判断をした。つまり,酩酊作用があるゆえに飲酒を禁じられていたブドウ酒の例を引き合いに出して,ナツメヤシ酒を飲むことを禁止したのだが,このように明文化された規定の理由を明文化されていない事柄に適用して法判断することをイスラーム法でキヤースというのである。