●ギボン
ヨーロッパ 英国 AD1737 ハノーヴァー・ウィンザー朝
1737〜94 イギリス啓蒙期の歴史家。現在の大ロンドン市内,ウォンズワス自治区のパトニーで生まれ,父は富裕な地主階級でトーリー党下院議員にもなった。15歳から1年2ヵ月ほどオックスフォード大学で学ぶが,カトリックに改宗したため,父によってスイスのローザンヌに送られ,そこで新教派に復帰して5年後に帰国。1763〜65年にわたるフランス・イタリア旅行で,百科全書派の文人らと交際をもち,古代ローマ史の勉強に没頭して,ローマ衰亡史著述の構想を得た。1776年に『ローマ帝国衰亡史』の第1巻を刊行し,1788年に第6巻でようやく完結した。五賢帝時代から東ローマ帝国の滅亡までを取り扱ったこの本は,啓蒙主義史学の代表作であり,18世紀イギリス文学史上の最高傑作の1つといわれている。とくに第1巻第15,16章のキリスト教論が,危険思想として宗教界からいっせい攻撃を受けたことは有名である。1774〜82年にかけて下院議員になったが,アメリカ独立戦争をめぐる政変に出合い,晩年は再びローザンヌに隠棲した。おもな著作に『自叙伝』などがある。