●ギベルティ
ヨーロッパ イタリア共和国 AD1378 両シチリア王国
1378〜1455 フィレンツェ生まれ。初期イタリア=ルネサンスの代表的作家の一人。当時は造寺・造像が盛んで,美術家には彫塑や工芸の技術はもちろん,デザインや彩色の技術まで必要とされた。ギベルティもそれらの技術を駆使して23歳のときコンクールにパスし,同市の本寺サンタ=マリア=デル=フィオーレ洗礼堂の二つの青銅扉の制作を委任され,キリストを題材とする28面からなる北面の門扉を23年を費やして完成した。ゴシックからルネサンスの到来を明瞭に伝える傑作である。全市をあげての称賛はやがて東面門扉10面の制作を要求する声に変わり,彼は旧約伝をテーマに再び20余年を費やした。その特質は金メッキつきの青銅浮彫で仕上げ,しかも主題の画面構成に透視図法を駆使し,扉が閉まっていても十分奥行きを感じる仕組みとした。新時代の到来を告げるこの名作にミケランジェロも“天国の門だ”と絶賛を惜しまなかったという。