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●黄表紙 きびょうし

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 萌黄色表紙で一冊5丁,一作1〜3冊の中本(美濃判四つ折り)型。江戸中期の戯作のうち絵草紙に分類できる。正月発行は赤本以来の恒例である。1775年(安永4)の恋川春町『金々先生栄花夢』から,1806年(文化3)の式亭三馬雷太郎強悪物語』までの33年間が,黄表紙期になる。実在人物を明記できない禁令下のため,挿絵の家紋などで暗喩,文中の会話などで匂わせ,独特な小説の方法を切り開いた。風刺性の強いパロディーが特色。話題の人物や幕政・事件・流行風俗など当世を描くのを身上とした。ことに寛政改革を風刺した朋誠堂喜三二『文武二道万石通(どおし)』,山東京伝『奇事中洲話(きじもなかずわ)』が知られている。改革後は本来の特色を失い,読者の長編好みもあって合巻に吸収される。

〔参考文献〕水野稔『黄表紙洒落本の世界』1976,岩波書店

井上隆明『江戸戯作の研究』1985,新典社

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