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●紀伊国屋文左衛門 きのくにやぶんざえもん

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 生没年不詳。 江戸時代に活躍した江戸の豪商。伝説で知られた豪商であるが,その実像は不明確である。文献としては『実伝紀伊國屋文左衛門』(1939)が知られるが,その内容を全面的に信頼することはできない。一説によれば,1669年(寛文9)に誕生し1734年(享保19)に66歳で死亡したといわれる。ほかにも説があり,いずれも全面的には信頼できない。一応,ほぼ元禄〜享保の時期に豪奢をきわめて,奈良屋茂左衛門とともに致富に成功したと考えられる。致富については伝説では「みかん船」が取り上げられるが,これも信頼することはできない。いずれにせよ1代で財をなすについては,権力との結合が期待されねばならず,京橋本八丁堀に材木店を設け,河村瑞賢の指導を得たといわれる。新井白石の『折たく柴の記』に〈材木を商ふ商人どもの忽ちに家を起し〉とあるが,紀文こと紀伊国屋文左衛門の致富とかかわりがあろう。“成金型”豪商の代表とみてよい。